今年もお盆がやって来ますね。お盆は仏様が帰ってきます。
私事で恐縮ですが、父を12年前になくしました。私が虎屋に入社して1年で、入院し、その2年後になくなりました。ですから仕事を共にするようになっていっしょに働いたり、飲みにいったりといった当たり前の思い出が非常に少なく、私の友人のこのような様子をみると非常にうらやましいですね。
ちょうどこの時期 お墓に父と弟と3人ででかけ、蚊にさされながら猛暑の中 毎年 掃除をしていました。弟は東京にいますので、もう3人で掃除をすることは無いなあと思いながら、掃除をしてきました。父は非常に寡黙な人で多くを語りませんでしたが、背中はうそはつかないといいますが、父の背中は本当に正直な背中でした。そしてスポーツ 特にスキーと水上スキーが大好きで小さいときから徹底的に教えこまれました。
入社当時 そんな父とよく喧嘩をしたものです。経営観が違うというか、目標、理想が違うというか、・・・つまり都会から少々社会人経験して帰ってきた若造がなにも判らず、うわっつらばっかりほざいていたのです。でも父は非常に優しかったので、強引に止めようとはしませんでした。
そんな父を当時は情けないと思っていましたが、今になって父の言っていた事がよくわかります。「腫れ物とお菓子屋は大きくするな!!」「いや 大きくする。!!!」 経営哲学 経営理念もないただ勢いだけの私は猛虎のごとく規模拡大にはしり、精一杯生きてきました。
振り返って 当時と全く違う経済環境や市場、消費者の動向などから考えると日本はアングロ型資本主義社会を目指しているから投資効率やシェア拡大を前提とした経営スタンスに変わりはないし、異論はない。
そして父の言葉に背いて、後継者の息子は菓子屋を大きくしてしまいました。
腫れ物は大きくしたらオシマイだけれど、菓子屋は大きくなっても経営者の心掛け次第で、腫れ物の末路を辿らずに済みます。そうなるべく、私は、誠心誠意
安全で美味しい味の確保に努力し、新製品の開発にも心を砕いて来ました。社員の人達の真摯なる協力も、店にとって、大きな力になっています。
多くの人達に感謝しつつ、この老舗が、虎屋を愛して下さる方々に、より一層、喜んで頂ける店になるよう力を尽くしたいと思います。そして、その言葉を話した父に今の私を認め、納得し、喜んで貰いたいと心底そう思った。
このお盆、墓掃除をしながら亡き父を思い出し、店の在り方を考え、改めて身の引き締まる思いがしました。
続く・・・
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