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最初から涙が溢れてくる映画というのは、あまり経験した事がありません。
昨日沈まぬ太陽を映画館で鑑賞してきました。
山崎豊子さんの作品は、主人公を取り巻く人間模様について大いに考えさせられるのが特徴であります。医療裁判をテーマにした「白い巨塔」での財前と里見の2人の生き方のように・・・
「沈まぬ太陽」では企業の内幕を暴露する内容で、会社内での権力構造における派閥争いや腐敗構造を、恩地と行天の2人の生き方を描写しながら、3時間半という時間を感じさせないすばらしい作品に仕上がっていました。
フィクションとは言えこれだけ実在する企業を匂わす映画を作るのは困難だったと思います。それだけに国民航空のモデルとなった会社がこの映画にネガティブキャンペーンを行う気持ちもわからないわけではありませんが、この映画は決して一企業批判の映画ではないという事を鑑賞すればわかるはずです。
さて、この映画のみどころは、他を寄せ付けない渡辺謙の演技のすばらしさといえるでしょう。主人公である恩地の不器用さとまじめさを見事に演じていると思います。本当に渡辺謙はすごい俳優ですよ!!
また印象的だったのは、娘の結納の席で理不尽と感じる事に熱くなり、家を飛び出し、妻の鈴木京香に連れ戻され、手を握って戻るシーン・・・
それと息子と牛丼を食べながら「波に逆らう自分より、波に乗ろうとしがみついている連中のほうが大変なのかもしれない」というつぶやくシーン・・・
家庭人としてまた会社人間としても0点と感じているおやじだが、最高にかっこいいおやじですね。
改めて山崎さんのお家芸「人間としてどう生きるか」を私達に問いかける作品として主人公の恩地の生き方をみて、不器用でも真面目に生きる人間はすばらしいと大きな勇気を与えて頂きました。そして私もかくありたいと思うと同時にこんな生き方がこれからの社会のマジョリティになると信じてやみません。
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