【虎屋本舗16代当主独り言】ぼたもちとブランドアイコン
HOME > 十六代当主の独り言2018 > 十六代当主の独り言2015 › 2015.04.15
秋は「おはぎ」 春は「ぼたもち」
秋のお彼岸、春のお彼岸といわれは諸説ありますが、もうそんな季節になりました。
今朝 ご先祖様に手を合わせてきました。 そして親父の好きだったぼたもちをお供えしてきました。
お彼岸のお供えは是非ともお近くの虎屋で!!
最近、ブランドアイコンについて話をする機会があった。
1990年前後に日本にCIブームが起こり、マークの刷新を各社揃って行っていたという時代があった。
それを当時コーポレートマークやロゴマークと呼んでいた。現在はブランドアイコンと呼んでいるが、
僕の好きなアップル社のアイコンはお馴染みのリンゴをかじったデザイン。
ニュートンが林檎の木の下で万有引力の法則を発見した、という故事に由来しているらしい。
また、りんごがかじられたような形になっているのは、パソコンの容量を表す単位のバイト(byte)が、
英語の他の意味ではかじる(bite)になっていて、これと引っ掛けたと言われている。
僕はアダムがリンゴをかじった瞬間からこの世界がスタートしたからだと思っていたがどうやらこの理由は違うらしい・・^
ところで当時この仕事は広告代理店やデザイン事務所が手掛けていたが、
余りにもビジュアル重視(マークやデザインありき)だった。
本来のロゴマークの目的は、企業理念や戦略、特性を視覚化したものであり、
競合企業と明確に差別化するための強い独自性をビジュアライズすることであり、
それがないがしろにされていた。マークやロゴは流行や時代の気分あるいはただかっこよさのみを
追求して作られるのではないというわけだ。
僭越ながら弊社にも象徴的なブランドアイコンがある。
かつて老舗菓子屋として伝統的な和菓子のみを扱っていたが、私が社長になったから劇的に方向性が変わってきた。
お馴染みのどら焼きは和菓子と洋菓子のちょうど中間的な位置にある。
つまりどこからでも商品を生み出していくという強い思いと屋号の虎屋の力強い虎のイメージが
このアイコンには込められているのだが、仮に17代目が方向性を変えるとこれとは
違うブランドアイコンに成る可能性もある^^
16代当主敬白